東京の伝統工芸品東京の伝統工芸品 Traditional Crafts of Tokyo

染の里 おちあい
(そめのさと おちあい)

染の里 おちあい
(そめのさと おちあい)

竹を編んで作った簾のランチョンマット。江戸時代から受け継がれる染めの技法とモダンなデザインの融合。

図案によって使う刷毛はさまざま。

見学しよう

染色技術の極みと言われる江戸更紗・小紋の工房を、ガラス越しに見学できます。併設するギャラリーでは、カラフルでモダンなデザインの小物を販売しています。

新宿区を代表する工芸、染めを学びましょう。ビデオ鑑賞:染めの技と歴史がわかりやすく解説されています。

新宿区を代表する工芸、染めを学びましょう。

生地を部屋いっぱいに広げます。引場(ひきば):図柄に色をつけたり、ぼかしを入れたりするところです。竹の伸子(しんし)を張り、生地を宙に浮かせて彩色します。

生地を部屋いっぱいに広げます。

絹の反物は100℃の蒸し箱に30~120分入れます。蒸場(むしば):染料を生地に定着させるため、蒸気をかける部屋です。

絹の反物は100℃の蒸し箱に30~120分入れます。

昭和40年頃までは裏を流れる妙正寺川(みょうしょうじがわ)で行っていました。水元(みずもと):生地に残った余分な染料や糊を洗い流す場所です。

昭和40年頃までは裏を流れる妙正寺川(みょうしょうじがわ)で行っていました。

200枚もの型紙が必要な作品もあります板場:約7mの板に貼った白生地の上に型紙を置いて、染色と糊の塗布を行う作業場です。

200枚もの型紙が必要な作品もあります。

花鳥風月などの新しいモチーフがここで生まれます。図案室:スケッチや写真をもとに下図を彩色して、染色のイメージをつくるアトリエです。

花鳥風月などの新しいモチーフがここで生まれます。

シルクとアクリルを組み合わせたバングルやバレッタなど、楽しい作品も多数。ギャラリー:シンプルで斬新なモチーフのスカーフや財布などを展示販売しています。

シルクとアクリルを組み合わせたバングルやバレッタなど、楽しい作品も多数。

芸術さながらの鮮やかな着物を鑑賞しながらコーヒーやお茶菓子も楽しめます。カフェ:ひと息いれて、見学の余韻を味わいましょう。

芸術さながらの鮮やかな着物を鑑賞しながらコーヒーやお茶菓子も楽しめます。

体験しよう

エキゾチックな図案のテーブルセンターを型染めでつくります。花鳥がモチーフの12枚の型紙を使い、6色の顔料で濃淡をつけながら、約1時間で摺り上げます。同じ型を使っても刷り方で色合いが変わり、まったく違う風合いの作品ができあがります。

型紙と生地に開けた目印の穴が「ホシ」です。ホシ合わせ:型紙と生地の上部をピンで2か所しっかり留めて固定します。

型紙と生地に開けた目印の穴が「ホシ」です。

最初は薄い色合いにするとにじみにくくなります。色刷り: 1枚目の型紙の上に1色目の顔料を丸刷毛でこすります。力の微妙な入れ加減や刷毛を動かす回数で、色調が魔法のように変わります。

最初は薄い色合いにするとにじみにくくなります。

染め残しがないか確認します。色の確認:型紙をめくって刷り具合を確認しながら慎重に色を重ねます。

染め残しがないか確認します。

刷毛をすべらせるように使うのがコツです。再び色刷り:同じ色で2枚目の型紙を摺ります。今度は力を入れて濃いグラデーションを入れました。

刷毛をすべらせるように使うのがコツです。

ピンク・緑・黄・茶・紫・青の6色を使います。色と型紙を変えながら、工程1から4を繰り返します。

ピンク・緑・黄・茶・紫・青の6色を使います。

紙などを敷いて、低温・ドライでアイロンをかけます。家に持ち帰って、裏からアイロンで顔料を定着させて完成です。

紙などを敷いて、低温・ドライでアイロンをかけます。

担い手の声

型染めを指導してくれた岡野さん。伝統の技術のうえに、新しいチャレンジを重ねたい。更紗を残すためにも、多くの人に知ってほしい。

岡野 睦子 おかの ちかこ
職人

「同じ顔料を使っても、それぞれの作品の仕上がりが異なります。その違いが作品の味になる面白さがあります。小さいころから手を動かすのが好きで、この道に進みました。集中力が必要な作業なので、時間を忘れて打ち込める仕事です。江戸更紗の伝統を残すには作品だけでなく、着物を着る機会や場所を育てていくことも考えたいですね」

型染めを指導してくれた岡野さん。