東京の伝統工芸品東京の伝統工芸品 Traditional Crafts of Tokyo

村山織物協同組合
(むらやまおりものきょうどうくみあい)

村山織物協同組合
(むらやまおりものきょうどうくみあい)

村山織物協同組合歴史ある建物を味わい、道具類に伝統を感じ、映像で技を知る、体感型資料館です。

染色が終わり、巻き取られた絹糸。発色が美しい。

見学しよう

武蔵村山市の指定有形文化財である村山織物協同組合の建物に伝統を感じます。見学は建物にある資料室が中心。実際に使う道具や制作途中の製品などが、工程順にわかりやすく展示されています。

方眼紙に緻密に描かれた「板図案」。方眼紙に図案を写した「板図案」。伝統の絣(かすり)の図案を正確に再現するために、目の細かい方眼紙を使います。

方眼紙に緻密に描かれた「板図案」。

カンナは溝の広さなどに応じて数十種類以上。「絣板(かすりいた)」は図案が彫られた板。図案を正確に彫るために、特殊なカンナが用いられます。

カンナは溝の広さなどに応じて数十種類以上。

ここで展示されているのは、約80枚×2列分。「絣板」は図案の順に積み上げられます。

ここで展示されているのは、約80枚×2列分。

絣板に染料をかける様子を再現。絣板に絹糸を挟みこみ、隙間なく丁寧に巻きこんで、ボルトで締めつけます。染料を何度もかけ、しっかりと染めあげていきます。

絣板に染料をかける様子を再現。

仕上がりの柄に合わせて巻き取られた糸。染めあげた糸は「お巻き」に巻き取ります。正確に柄を合わせるために、熟練の技が必要とされます。

仕上がりの柄に合わせて巻き取られた糸。

製織の様子を実演してもらいました。巻き取った糸は、「経て糸(たていと)」です。機織機にかけて、「緯糸(よこいと)」と合わせて織りこみます。一反の完成までには、一人の熟達した織り師が丹精こめて、およそ一週間かかります。

製織の様子を実演してもらいました。

村山大島紬の知名度を上げるために、有名俳優を起用。和30年代の広告ポスターや店頭POPも展示されています。

村山大島紬の知名度を上げるために、有名俳優を起用。

村山大島紬の象徴的な柄を織り込んだ粋な小物。別室で詳しい製造工程がわかるビデオを見てさらに深い知識を習得。また、財布、ネクタイなどの楽しい小物も展示されています。

村山大島紬の象徴的な柄を織り込んだ粋な小物。

担い手の声

村山織物協同組合・村山織物工業組合 理事長 髙山 金之助時代に合う新しい付加価値を持った商品づくりを推進したい

髙山 金之助 たかやま きんのすけ
村山織物協同組合・村山織物工業組合 理事長
東京都伝統工芸士

「幾度かの変遷を経て、今、村山の地に『村山大島紬』という伝統工芸品が存続しています。それは、先人たちの並々ならぬ努力と研鑽の賜物。現在は和服を着る機会が減少し、産業的には厳しい時代になっていますが、必要とされる商品は必ずあります。これからも、「村山大島紬」伝統の品質を大切にしつつ、時代のニーズに応える商品づくりに知恵をしぼっていきたいと思っています」